笑劇開演〜小林賢太郎テレビ

仕事始めの日付になったにもかかわらず、上品な笑いを醸すテレビ番組を、消え行くBShiで愉しむ。


ラーメンズ小林賢太郎氏が制作の「笑劇開演」である。


と、ここまで書いてみてPCを起動し、深夜2時過ぎに「ラーメンズ」だの「小林賢太郎」だのと検索してみる。
http://kentarokobayashi.net/menu.html
どうやら僕の思っているラーメンズに行き着いた。
しかし、知っているラーメンズの印象って、片桐さんの記憶ばかりで小林さんの印象は薄い・・・。
ホームチームの与座さんが出演していた映画UDONなどにも出演されていたのだろうか?



今日見たものはオフィシャルページによると再放送らしいので、
自分の無知を憂うばかりなのだが、個人的に気に入ったのは3分間のショートコントを
単独でノーカットで固定カメラで笑いに繋げるコーナー。
演劇やお笑いを志す人には最適なコンテンツに思えた。


近年のTV制作の(費用や人員の)簡素化と、反比例するテロップ・音楽量に伴い、
面白くない演芸・芸人が祭り上げられ、勢い任せのお笑い番組をこの正月何本見たことか。
確実な演出過多と出演者の力量不足を、(上に)認められたい演出家がテロップや効果音で
当たらないパチンコ屋みたいな装飾に仕上げている印象が、近年のいわゆる「数字か高い」
と、評されるテレビ番組で頻発をしている。


今回のこのコンテンツは、そんな番組を見すぎたためなのか
人肌を感じる、等身大のコント師 小林賢太郎が見られて大変興味深かった。
回しっぱなしのカメラをお客さん宅のテレビに見立て、カメラをFIXし
自らが帽子をレンズにかぶせるきっかけ(暗転)と共に
自らがカットバックしたり、寄ったり引いたり自身で効果音を発したり。。。


チャップリンの時代が映像の祖であるならば、
つまりはこれで今も昔もお客さんを唸らす事は出来るはず。


チャップリンは白黒の無声映画でコレをやり
小林賢太郎は白バック、黒眼鏡でコレをやった。
相違があるとすれば、台詞が集音されていたことだろうか?


制約がなくなると、映像技術は飛躍的に進歩をして
自宅に居ながら映画館のようなダイナミックな映像を高画質で届けてくれる。
昨日の箱根駅伝なんて最たる物で、箱根の山々に電波が伝送できなければ、
バイク中継車が生み出されなければ、今日の映像は全国に届きません。


そんなわけで、今回みたいに束縛されて不自由になると
研究熱心なアーティストは、今回みたいに限られた中で【笑い】を築いていけるわけです。
チャップリンみたいな時代で無いだけ、出来るはずの事が出来ずに苦しむわけですが。


視聴者とすればシンプルでも伝われば十分満足!
かつてのローカル番組【水曜どうでしょう】もDVカメラ1つのロケ番組でしたが、
出演者にも結果的には恵まれ、2人のスタッフで社屋のデジタル化工事が出来るくらい
収益を上げた訳ですから・・・。


今後もこの様な「シンプルで面白いもの」にはなるべく脚色を加えずに
楽しませていただければ幸いです。



もちろん他のコーナーではたくさんの仕掛けを施していましたので、
手を加えていない事を評価している訳ではありませんので念のため。
ああ、もう3時が近い・・・ねむれるかな?